「インスタグラムのストーリー、とりあえず更新はしているけど、もっとオシャレにならないかな…」
「他店のストーリーを見ると、なんだか惹かれるのに、自分の投稿はいつも同じ雰囲気…」
もし、あなたがこのように感じているなら、その原因は「音楽」の使い分けにあるのかもしれません。実は、多くのサロンが見落としがちなのが、このインスタグラムストーリーにおける音楽の重要性です。
この記事では、SNS運用のプロが実践している、音楽を使ってサロンのブランド価値を飛躍的に高めるための具体的な手法を解説します。
単に流行りの曲を載せるだけではない、お客様の心を掴み、記憶に残り、「このサロンに行ってみたい」と思わせるための戦略的な音楽活用術です。最後まで読めば、あなたのストーリーは明日から劇的に変わることをお約束します。
インスタストーリーに“音楽”が重要な理由
なぜ、たった15秒のストーリーに音楽がそれほどまでに重要なのでしょうか。それは、音楽が人間の感情や記憶に直接働きかける、非常に強力なツールだからです。
音楽がもたらす感情効果とブランド印象
音楽には、人の気分を瞬時に変える力があります。アップテンポな曲はワクワク感を、静かで落ち着いた曲はリラックス感を、といったように、特定の感情を呼び起こします。これを「感情効果」と呼びます。
サロンのストーリーに音楽を添えることは、お客様に「このサロンは、こんな気持ちにさせてくれる場所なんだ」と直感的に伝える行為に他なりません。例えば、高級感のある落ち着いた雰囲気のサロンが、賑やかなポップソングをBGMにしていては、ブランドイメージにズレが生じますよね。音楽選びは、サロンの印象を決定づける重要なブランディング活動なのです。
サロンの世界観を音で表現するメリット
あなたのサロンには、独自の「世界観」があるはずです。ナチュラル、モダン、ラグジュアリー、アットホーム…。その世界観を、視覚情報である写真や動画だけでなく、「聴覚情報」である音楽で補強することで、より深く、立体的に伝えることができます。
お客様は、目と耳の両方からサロンの雰囲気を感じ取ることで、より強くその世界に引き込まれます。
「なんだかこのサロン、居心地が良さそう」「センスが好きだな」と感じてもらうための、強力な武器になるのです。
音が「共感」と「記憶」に残る理由
「この曲を聴くと、あの時のことを思い出す…」という経験は誰にでもあるでしょう。音楽は、特定の記憶や感情と結びつきやすい性質を持っています。これを心理学では「プライミング効果」と呼ぶこともあります。
ストーリーで一貫した音楽を使い続けることで、「この曲=あなたのサロン」という刷り込みが起こります。お客様が街中でふとその曲を耳にした時に、あなたのサロンを思い出してくれるかもしれません。これは、単発の広告よりもずっと効果的な、記憶への投資と言えるでしょう。
プロ直伝!インスタストーリーを“オシャレ”に見せる音楽の選び方
では、具体的にどのような音楽を選べば良いのでしょうか。ここでは、プロが実践している音楽選びの思考プロセスを、ステップバイステップで解説します。
ジャンル別おすすめ(カフェ系/韓国っぽ/ミニマル/チル系)
まずは、サロンの雰囲気に合わせて音楽の方向性を決めましょう。以下に代表的なジャンルと、それが与える印象をまとめました。
| ジャンル | 与える印象 | おすすめのサロンタイプ |
|---|---|---|
| カフェ系 | おしゃれ、リラックス、ナチュラル | オーガニック系、ナチュラルテイスト、アットホームな個人サロン |
| 韓国っぽ | トレンディ、スタイリッシュ、洗練 | 流行に敏感な若者向け、デザインカラーが得意な美容室 |
| ミニマル | シンプル、モダン、知的、上質 | メンズサロン、ヘッドスパ専門店、ミニマルな内装のサロン |
| チル系 | 落ち着き、癒し、アンニュイ | リラクゼーションサロン、エステ、プライベートサロン |
ジャンル選びで迷ったら、あなたのサロンに来てほしいお客様が、普段どんな場所で時間を過ごすかを想像してみてください。スターバックスのようなカフェで過ごすことが多い方なら「カフェ系」、セレクトショップで買い物を楽しむ方なら「ミニマル」や「韓国っぽ」が響く可能性が高いでしょう。
ターゲット層別の音選びポイント
次に、ターゲットとなるお客様の年齢層やライフスタイルに合わせて、さらに音楽を絞り込みます。
- 20代前半〜中盤向け: TikTokやリールで流行している、少しアップテンポな曲。ただし、サロンの雰囲気を壊さない範囲で選ぶのが鉄則です。
- 20代後半〜30代向け: 洋楽のR&BやLo-Fiヒップホップ、シティポップなど、洗練されていて都会的な印象の曲。ライフスタイルに寄り添うような、心地よいリズムが好まれます。
- 40代以上向け: ジャズやボサノバ、アコースティックなインストゥルメンタルなど、落ち着きと上質さを感じさせる曲。歌詞がない方が、施術風景やテキスト情報に集中してもらいやすいです。
使用シーン別のBGM活用術(施術風景・ビフォーアフター・スタッフ紹介)
同じサロンでも、投稿の内容によって音楽を使い分けることで、ストーリーの表現力は格段にアップします。
- 施術風景: お客様がリラックスしている様子を伝えたいなら、スローテンポで癒し系の「チル系」音楽を。逆に、リズミカルなカットシーンなどを見せる場合は、軽快なテンポの曲でスタイリッシュさを演出します。
- ビフォーアフター: ビフォーの映像では少し控えめな音、そしてアフターの映像に移る瞬間に、パッと華やかで盛り上がる曲に切り替える「ビートシンク」と呼ばれる手法が効果的です。お客様の変身した喜びを、音楽で増幅させましょう。
- スタッフ紹介: スタッフの個性や人柄が伝わるような曲を選びます。明るく元気なスタッフならポップな曲、落ち着いた雰囲気のベテランスタイリストなら、少し渋めのジャズなども良いでしょう。親近感を醸成するのが目的です。
インスタストーリーで使えるオシャレ音楽リスト
「理論はわかったけど、具体的にどんな曲を使えばいいの?」という方のために、音楽探しの具体的な方法と、プロが実践しているリサーチ術を特別に公開します。
サロン雰囲気に合う人気曲10選
インスタグラムのミュージックスタンプで検索できる曲の中から、サロンの雰囲気に合わせやすい人気の楽曲をいくつかご紹介します。これらはあくまで一例ですので、ここから派生させて自分のサロンに合う曲を見つけてみてください。
(特定の楽曲名を挙げると著作権やトレンドの変遷に影響されるため、ここでは探し方の方向性を示します)
- 探し方のヒント①「キーワード検索」:
インスタグラムのミュージック検索で「Coffee」「Chill」「Lo-fi」「Acoustic」「Jazz」などのキーワードで検索すると、雰囲気の良いインストゥルメンタル曲が多数見つかります。 - 探し方のヒント②「アーティスト名で深掘り」:
お気に入りのカフェやアパレルショップで流れている曲を、音声検索アプリ(Shazamなど)で調べてみましょう。そのアーティストの他の曲も、あなたのサロンの雰囲気に合う可能性が高いです。
著作権を気にせず使える音源サイト・アプリ紹介
サロンのプロモーションとして継続的に動画コンテンツを発信していくなら、著作権フリーの音源サイトを利用するのが最も安全かつ確実です。商用利用可能なサイトを選びましょう。
- Artlist: プロの映像クリエイターも多数利用。非常に高品質でオシャレな音源が月額制で使い放題。
- Epidemic Sound: ジャンルや雰囲気に合わせた検索機能が秀逸。YouTubeやインスタグラムでの利用に最適化されています。
- DOVA-SYNDROME: 日本のサイトで、無料で使える音源も豊富。クオリティは様々ですが、探せば良い曲が見つかります。
【超重要】トレンドをつかむ!リールやストーリーの人気音源リサーチ法
多くの人がリールやストーリーの「人気音源」から選んで満足してしまいますが、ここでは一歩先を行きます。それは「空間から音楽をサンプリングする」という考え方です。
- ターゲットが集う場所の音楽を盗む:
あなたのサロンのターゲット層が好みそうなカフェ、アパレルショップ、ホテルのラウンジなどに実際に足を運び、流れている音楽をスマートフォンアプリの「Shazam」でキャッチします。そこで見つけた曲やアーティストは、ターゲットの感性に響く可能性が極めて高い「生きた」情報です。 - Spotifyの「プレイリスト」を深掘りする:
Spotifyには、特定のムードやシーンに合わせた無数のプレイリストが存在します。「Late Night Jazz」「Chillhop」「Weekend Reading」などのキーワードで検索し、プロがキュレーションしたプレイリストを参考にしましょう。そこからお気に入りの曲を見つけ、インスタグラムのミュージックスタンプで検索します。 - 海外のVlogやリールから逆輸入する:
海外のライフスタイル系Vloggerや、同じ業種の人気サロンのリールで使われている音楽は、日本のトレンドの少し先を行っていることがよくあります。気に入った音源があれば、それもShazamで特定し、自分のストーリーに取り入れましょう。
このリサーチ法は、単に流行を追うのではなく、自らトレンドの源泉を探しに行く行為です。これにより、他のサロンとは一線を画す、洗練された音楽選びが可能になります。
プロの仕上がり!インスタストーリー全体の“トーン”を整える演出テク
良い音楽を選んだら、次はその音楽を最大限に活かすための「演出」です。ここにこだわることで、プロの仕上がりになります。
音量・編集・カットで印象を操作する方法
- 音量バランス: 音楽の音量は、大きすぎず小さすぎず、心地よいと感じるレベルに調整します。一般的には、スマートフォンの標準音量の50%〜70%程度で最適に聞こえるのが理想です。
- 「Jカット」「Lカット」: これは映像編集のプロが使うテクニックです。
- Jカット: 映像が切り替わる「前」から、次のシーンの音(音楽)を流し始める手法。視聴者の期待感を煽ります。
- Lカット: 映像が切り替わった「後」も、前のシーンの音(音楽)を少しだけ残す手法。余韻を生み出します。
インスタの編集機能だけでは難しいですが、動画編集アプリ(CapCut, VLLOなど)を使えば簡単に実装でき、一気にプロっぽい仕上がりになります。
ナレーションや環境音とのバランス
ただBGMを流すだけでなく、「環境音」を薄く重ねることで、ストーリーは劇的に没入感を増します。
例えば、ヘッドスパの施術風景。癒し系のBGMを流しつつ、「シャンプーの泡立つ音」「お湯が流れる音」「ハサミで髪を切るシャキシャキという音」を、ほんの少しだけ聞こえるか聞こえないかくらいの音量でミックスするのです。
これはASMR(聴覚から得られる心地よさ)効果を狙ったもので、視聴者はまるで自分がその場で施術を受けているかのような臨場感と心地よさを感じます。BGMの音量を80%にしたら、環境音は10%〜15%程度に抑えるのがバランスの秘訣です。この一手間が、他店にはない「忘れられない体験」を生み出します。
統一感を生む投稿テンプレートの作り方
毎回ゼロから作るのは大変ですし、デザインにばらつきも出ます。Canvaなどのデザインアプリを使い、サロンのロゴやテーマカラーを入れた「投稿テンプレート」を数パターン用意しておきましょう。
- お知らせ用テンプレート
- ビフォーアフター用テンプレート
- スタッフ紹介用テンプレート
これに音楽を組み合わせるだけで、誰が投稿しても一定のクオリティと統一感を保つことができます。
インスタストーリーで音楽を上手く活用しているサロン事例
特定のサロン名を挙げることは避けますが、成功しているサロンには共通する「音楽活用の型」があります。これを自店に置き換えて考えてみましょう。
トレンドを押さえた美容室の成功事例
あるトレンドに強い美容室は、リールで流行っている音源をいち早くキャッチし、それをストーリーのBGMに採用しています。しかし、ただ使うだけではありません。
- 施術動画: 流行音源のインストゥルメンタル版やリミックス版を使い、オリジナリティを出す。
- スタッフの日常: 流行音源をそのまま使い、親近感とトレンド感をアピール。
- スタイル写真のスライドショー: 流行音源の中でも、少しテンポの落ち着いた部分をループさせ、オシャレな雰囲気を壊さないように配慮。
このように、同じ流行音源でもシーンによって使い分けることで、ブランドイメージとトレンド感の両立に成功しています。
個人サロンでも真似できる簡単アレンジ法
お客様一人ひとりと向き合う個人サロンでは、大規模サロンとは違うアプローチが有効です。
- テーマソングを決める: サロンの「テーマソング」とも言えるインスト曲を1〜2曲決め、多くの投稿でその曲を使い続けます。これにより、「この曲=あなたのサロン」という強力なブランドイメージを植え付けます。
- お客様の雰囲気に合わせる: 常連のお客様が来店された日のストーリーで、「このお客様の雰囲気に合うな」と思う曲を選んで投稿し、メンションする。「〇〇様のイメージで、今日はこの曲を選んでみました♪」という一言を添えるだけで、特別なおもてなしになり、お客様との絆が深まります。
インスタストーリーから“来店”へつなげる導線設計
オシャレなストーリーを作る最終目的は、もちろん「来店」につなげることです。音楽で高めたお客様の感情を、具体的な行動に移してもらうための設計を行いましょう。
音楽×キャプションで行動を促す工夫
音楽で作り出した「心地よい」「素敵」という感情が冷めないうちに、言葉で行動を後押しします。
- 癒し系音楽+「毎日お疲れ様です。週末は、髪も心も癒されに来ませんか?」
- アップテンポな曲+「新しい髪型で、新しい自分、見つけよう!ご予約はハイライトから」
音楽の雰囲気に合ったキャプションを添えることで、メッセージの説得力が格段に増します。
「雰囲気が好き」→「予約したい」に変える心理設計
お客様が「このサロンの雰囲気、好きだな」と感じている状態は、非常に価値が高いです。その気持ちを「予約」という行動に変えるには、「限定性」と「具体性」が鍵になります。
- 音楽で期待感を高め、ハイライトへ誘導: ストーリーでサロンの素敵な雰囲気を音楽付きで見せた後、「この空間を独り占めできるヘッドスパ、詳しくはハイライトの『特別メニュー』をチェック」と誘導します。
- ストーリー限定の呼びかけ: 「このストーリーを見てくれた方限定で、〇〇(トリートメントなど)をサービスします。予約時に『ストーリー見た』とお伝えください」と呼びかけることで、「今、予約しなきゃ」という気持ちを後押しします。
リンク・スタンプ・ハイライト活用のコツ
- 予約リンク: 予約ページのリンクは、必ずプロフィールやハイライトの分かりやすい場所に設置し、ストーリーからは常にそこへ誘導するようにします。「予約はプロフィールのリンクから」と毎回必ず記載しましょう。
- 質問スタンプ: 「どんな音楽が好きですか?」「サロンで聴きたい曲は?」といった質問スタンプを使い、お客様を巻き込みます。ここで得た回答は、次回の音楽選びの貴重なヒントになります。
- ハイライト: 「BGMリスト」「施術風景」「お客様の声」など、テーマごとにストーリーをまとめておきましょう。初めてプロフィールを訪れたお客様が、あなたのサロンの魅力を短時間で理解するための、カタログの役割を果たします。
まとめ|「センス」を「戦略」に。音で選ばれるサロンになるための最終章
いかがでしたでしょうか。インスタグラムのストーリーにおける音楽は、単なる飾りではありません。サロンのブランドを構築し、お客様との絆を深め、来店へとつなげるための極めて戦略的なツールなのです。
音楽でサロンブランディングを加速させる
今日から、ストーリーに投稿する前に一歩立ち止まり、「この投稿で、お客様に何を感じてほしいか?」を自問してみてください。そして、その感情を最も効果的に引き出せる音楽は何かを考える癖をつけましょう。この小さな習慣が、あなたのサロンのブランド価値を着実に高めていきます。
“オシャレ”はセンスではなく設計で作れる
「自分にはセンスがないから…」と諦める必要は全くありません。これまで解説してきたように、オシャレなストーリーは、感覚やセンスではなく、ロジックと設計で作り上げることができます。ターゲットを理解し、シーンに合わせて音楽を選び、プロの演出テクニックを一つ取り入れてみる。それだけで、あなたのストーリーは見違えるはずです。
明日から実践できる小さな一歩を踏み出そう
この記事で紹介したテクニックのすべてを、一度にやろうとしなくても大丈夫です。まずは一つ、できそうなことから試してみてください。
- 明日のストーリーで、BGMの音量を少しだけ意識して調整してみる。
- 週末、お気に入りのカフェで流れている音楽をShazamで調べてみる。
- 次のビフォーアフター投稿で、音楽を切り替える演出に挑戦してみる。
その小さな一歩が、お客様の心を動かし、未来の予約につながる大きな一歩となるはずです。音楽の力を味方につけて、あなたのサロンならではの魅力を、もっともっと多くの人に届けていきましょう。
